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更新日:2019年11月22日(金)

2019年度 第1回梅田講演会 「使徒パウロと巡る古代地中海世界:ギリシャ・ローマ編」

開催日時:2019年11月14日(木)14時~15時30分
会  場:関西学院大学大阪梅田キャンパス10階1005号室
講  師: 淺野 淳博 先生(関西学院大学 神学部 教授 )

参加者は、テーマに興味と関心を持たれた方が多くおられたのか、関学卒業生を含め、92名となり、教室がいっぱいになる状態でした。

講師は淺野 淳博先生(関西学院大学 神学部 教授)です。 

テーマは「使徒パウロと巡る古代地中海世界 :ギリシャ・ローマ編」 でした。

 先生のお話は、キリストの使徒パウロが「マケドニアからの召命」を受けて、旅人として①「フィリピ」、②「テサロニケ」、③「コリント」、④「ローマ市」の4つの都市を訪問した内容を浅野先生が実際に訪ねられ、撮影された多くの画像や地図を用意されたスライドを使用して、この旅する使徒パウロの足跡をたどり、古代人の生き様に触れつつ、分かり易く説明されました。

 まず、「フィリピ」では、パウロはアゴラ(市場)、神殿(アクロポリス)、野外劇場、幹線道路、円形闘技場(コロッセウム)等を訪問しました。

 その後、フィリピ教会でパウロが残したメッセージは次の通りでした。「すべて真実なこと、すべて気高いこと、すべて正しいこと、すべて清い こと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なこと、また徳や称賛に値することがあれば、それを心に留めなさい」(フィリ4.8)

 次の「テサロケニ」では、パウロはユダヤ人会堂を探して、「パウロとシラスは、アンフィリポリスとアポロニアを経てテサロニケついた。ここにはユダヤ人会堂があった」と述べました。(使17:1)

  また、テサロニケ 教会を訪問したパウロのメッセージは次の通りでした。「だれも、悪をもって悪に報いることのないように気をつけなさい。お互いの間でも、すべての人に対しても、いつも善を行うように努めなさい」(Ⅰテサ5.15)

 そして、「コリント」では、港湾都市コリントとして、代表する コリント湾の外港(レカイオン)とエーゲ海の外港(ケンクレア)、ローマと小アジアとを結ぶ港湾都市コリント、そして、船を陸揚げして運ぶためのディオルコスの良さを自分の目で確認しました。

 その後、コリント教会へのパウロのメッセージは次の通りでした。「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、苛立たず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」(Iコリ13.4)

 最後の「ローマ市」ではパウロは軟禁状態になりましたが、 自由な生活を許され、スペイン宣教に向けて準備を開始しました。そこでのパウロのメッセージは次の通りでした。「今は、もうこの地方(コリントを含むアカイア州)に働く場所がなく、その上、あなた方の所へ行きたいと長年切望してきたので、イスパニアへ行くときも、それをかなえたいと思います。途中であなたがたに会い、まずしばらくの間あなた方とともにいる喜びを味わってから、彼の地へ向けて送り出してもらいたいのです」(ロマ15.23-24)

 伝説によると、パウロはローマ大火を機にキリスト者の迫害を激化 させた皇帝ネロの命によって斬首刑に処せられました。しかし、2世紀になると、パウロの殉教に関する伝説は、使徒ペトロの殉教とともに、ロムルスとレムスのローマ起源神話に結びつけられ、キリルスト教が、ローマ帝国の国教になると、パウロとペトロはローマ市の守護聖人として記憶されていくことになりました。

 そして、講演では、聖ピエトロ寺院や聖パオロ寺院、カタコンベを訪ねた時のお話も伺いました。浅野先生は数多くの写真や地図でその場その場の様子を説明されましたが、多くのお話があったため、十分な記述ができないままにご講演を頂いた内容含めて、その概要を纏めさせていただきました。

  • 2019年度 第1回梅田講演会 「使徒パウロと巡る古代地中海世界:ギリシャ・ローマ編」
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