会場: | 関西学院大学大阪梅田キャンパス |
講師: | 坂口 幸弘(関西学院大学 人間福祉学部 教授) |
今年一番の寒気となり、大阪市内も雪がちらつくなか、会場には100名近くの参加者で満席となりました。
今回は、坂口先生による「死別の悲しみに向き合う ~グリーフケアとは何か~」と題し講演いただきました。
大切な人との死別- 皆さんにも経験があるのではないでしょうか?配偶者に先立たれた人の場合では、死亡リスクが高まるとも言われています。死別の体験は様々であり、悲しみを糧として、新たな生活や人生を歩み始めている人がいる一方、悲しみの淵からなかなか抜け出せない人もいます。
言葉にできない“悲しみ” それは一言では表現できない“悲しみ”
・胸が締めつけられるような悲しみ
・気が狂いそうなほどの悲しみ
・身が削がれるような悲しみ
・叫びたくなるような悲しみ
など、誰もが経験しうる悲しみ。
グリーフとは「悲嘆」。
感情的反応(絶望や悲しみ)・認知的反応(故人の現存感)・行動的反応(動揺や緊張、疲労)・生理的身体的反応(食欲不振や睡眠障害)など、“悲しみ”だけを意味するものではありません。
またこれらは病気ではなく、個人差があるものの自然な反応です。
死別と死亡率の統計上では、配偶者との死別の場合、有配偶者と比較し、男性の方が女性よりも死亡率の増加が大きく、男性においては若い年代の方が危険が大きくなります。
より強い悲嘆が長く続き、日常生活への影響が出てくることを複雑性悲嘆といいます。
グリーフケアがなぜ必要なのか?
・死亡、羅患、自殺、複雑性悲嘆のリスク
・生活の立て直し、新たな人生への再出発
グリーフケアは誰が行うのか?
・遺族同士(関西遺族会ネットワーク)
・家族、親族、友人知人
・医療関係者、福祉関係者、宗教家、葬儀業者、学校関係者、司法書士など遺族に接する人々
・カウンセラーや精神科医などの専門家
・自治体などの公的機関
・その他(傾聴ボランティアなど)
グリーフケアとして何をすればいいのか?
・相手の思いを尊重する
・そばにいること
・じっくりと耳を傾ける
・長い目で見守る → 個人差がある
・生活面での手助けをする
・身体的な健康にも気を配る
・状態に応じて専門家の受診をすすめる
グリーフケアの目標はどこにあるのか?
・“立ち直る”ことなんてない
・“回復”ではなく“適応”
・“悲しみ”を含む“生”を支えるグリーフケア
大切な人との死別は、いつ・どこで起きるか分からないことです。深い悲しみを抱えた方への支援“グリーフケア”私たちが身近な人の死を経験したとき、あるいは死別した人のサポートの必要性などを講演いただきました。
◆次回の梅田講演会は、以下の日時で開催します。
日 時: | 2017年2月9日(木)14:00~15:30 |
会 場: | 関西学院大学大阪梅田キャンパス 1405教室 |
講 師: | 甲斐 知彦 関西学院大学人間福祉学部教授 |
テーマ: | AI(人工知能)時代の学び方 ~野外教育のすすめ~ |
定 員: | 80名(先着順) |
申込方法: | 大阪梅田キャンパスHPよりお申込ください。 http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/ |
お問合せ先: | 関西学院大学大阪梅田キャンパス事務室 電話(06)6485-5611 |