会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス
講師:田淵 結(関西学院院長・関西学院大学教育学部教授)
全国的に今年1番の冷え込みとなったこの日、会場は関学同窓生を含め、満席となりました。
今回は、田淵院長による「ヴォーリズ,W.M. 人と作品~関西学院の日本建築学会賞受賞を記念して~」という題でご講演いただきました。
1889年に神戸原田の森(現在の王子公園付近)で創立した関西学院は、その後、創立40周年を迎えた1929年(昭和4年)に、校地拡張と大学昇格基金等の捻出を目的として、原田校地を阪急電鉄に約320万円(当時額)で売却し、上ケ原校地(兵庫県武庫郡甲東村、現在の兵庫県西宮市上ケ原)に移転しました。
関西学院校地(原田、上ケ原)の設計者は、William Merrel
Voriesです。彼は1905年に来日し、近江八幡で英語教師をしていましたが、その後独立して近江兄弟社を設立し、メンソレータムを全国に販売しました。また、自ら建築家として全国的にヴォーリズ建築を普及し、学校関係では関西学院の他、神戸女学院、同志社、明治学院などを手掛けています。
上ケ原キャンパス全体のデザインとして、学園花通り中央線⇔正門中心線⇔中央芝生中央線⇔時計台尖塔⇔甲山頂上までそれらが全て一直線で結ばれており、軸線を挟んで向かい合う校舎群には、右側にランバス礼拝堂、神学部、文学部(理念系学部)があり、左側に法人本部、商学部、中央講堂、経済学部(現実系学部)、そして正面中央に総合する大学博物館(時計台)があり、それぞれの校舎は左右対称ではなく独自のデザイン、学部の個性、独自の主張が表れています。
関西学院校歌「空の翼」は1933年に、前年の大学昇格を記念して北原白秋作詞のもと、同窓の山田耕筰が作曲しました。この校歌が上ケ原キャンパスを彷彿させています。
第一節「清明ここに道あり我が丘…」 → キャンパスに向かって学生が歩く。
第二節「眉にかざす聖き甲、萌えたつ緑…」 → 正門に立つ。
第三節「旗は勇む武庫の平野…」 → 時計台から見た風景。
2017年、関西学院は西宮上ケ原キャンパスの発展的整備の優秀さにより、株式会社日本設計とともに、教育機関のキャンパスとして初の日本建築学会賞を受賞しました。
最後に田淵院長は、「単にキャンパスの設計が継承されただけでなく、1929年の上ケ原キャンパス移転後、変わらないもの、変えていくものをどう継承していくかをこれからも大切にしていきたい」とお話いただきました。
◆次回の梅田講演会は、以下の日時で開催します。
日 時: | 2017年12月15日(金)14:00~15:30 |
会 場: | 関西学院大学大阪梅田キャンパス 1405教室 |
講 師: | ルース・M・グルーベル 関西学院前院長・関西学院大学社会学部教授 |
テーマ: | アメリカのクリスマス ~理想と現実~ |
定 員: | 80名(先着順) |
申込方法: | 大阪梅田キャンパスHPよりお申込ください。 http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/ |
お問合せ先: | 関西学院大学大阪梅田キャンパス事務室 電話(06)6485-5611 |